わたしの脾臓はどこにある

あなたの膵臓はどこですか。
あなたはすぐにピンポイントで「ここ!」と指さし説明できますか。

『君の膵臓をたべたい』という作品から、ちょっと知名度を上げた臓器ではなかろうか。
臓器に知名度なんてあるのかどうかは、おいといて。

膵臓(すいぞう)はおなかの上の方、胃の後ろ側にある、長さ20センチメートルほどの左右に細長い臓器です。 右側のふくらんだ部分は頭部といい、十二指腸に囲まれています。

膵臓の病気と治療について | 国立がん研究センター 東病院

では脾臓はどうでしょう。
こんな漢字で書くということも知りませんでした。
ひぞう、と読みます。
どこでしょう?お腹のあたりかな。

人体の左の上腹部にあり、上方は横隔膜に、内側は左の腎臓と接している。前方には胃が存在する。肋骨の下に隠れており通常は体表からは触れない。 脾臓の大きさは長さ12cm、幅7.5cm、厚さ5cm程度で、腎臓のようなソラマメに似た形をしている。重量は100~200g程度と、内部に流れ込んでいる血液量で変化する。柔らかく、色は暗赤色、赤紫色、煉瓦色である。

脾臓 – Wikipedia

ここまで説明されたとて、「ここだ。」って鏡を目の前にして明確に自分の目でスキャンできない。

「だいたいこの辺」という知識はあるけれども、実際に開腹するなり、医療機器でスキャンするなりしないと、「わたしの脾臓はここにある。大きさはこれぐらい。」ってわからない。
色やツヤ、匂いなんかは、お腹を開いてみないとわからない。
きっとわたしは、我が人生において、自分自身の目で、自分の脾臓を実際に目の当たりにすることは一生ないんだろうな。

不思議だな。
今もこうやってパソコンを目の前にして座っているこの体の中に、その「脾臓」とやらは存在していて、どんな働きをしているのかよくわからないままの持ち主に対して、
「おい!もっと俺を気にかけてくれよ!」と不満をたれることもなく、せっせと働いてくれている。

無意識。
意識せずとも、わたしは、わたしの体によって、生かされている。
なんだかよく分からないまま、知らず知らず、生かされている。

物質として存在している、肉体。
その体の中にたくさん詰まっている、臓器、骨、筋肉、血液、いろいろ。

目に見える最も身近な物質である肉体ですら、わたしたちは知らないことが多すぎる。

多分、こころだとか、直感だとか、そういう目に見えないわたしの一部も、きっと、わたしを生かすために知らず知らず働いてくれていることが多いのだと思う。
自分のこころは自分が一番よくわかったような気でいるけど、それもきっと、まだまだ知らないことがあるはず。

今日、生きて、ここに存在しているということは、わたしという肉体面からみた物質的な部分と、精神という非物質的な部分が、手を取り合ってなんとか明日も朝目覚められるようにがんばってくれている気がしてならない。

成功法だとか、必勝法だとか、あちらこちらに様々な「方法」なんていうものが転がっているけども、全部無視していいと思う。
探さなくていいと思う。
きっと全部、わたしたちはわたし専用の「方法」がわかっている。

“わたしの脾臓ってどこ?”

きっと脾臓もビックリしたと思う。
だって今までわたしにそんな注目されたことなんてないから。

どこにあるの?どうしたらいいの?
こたえは自分の中にある。聞いてみたらいい。きっと教えてくれるから。

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